2007年1月25日 (木)

丸太町東洋亭

近くに「丸太町東洋亭」という美味しい洋食屋さんがある。

「洋食屋」といっても大正6年創業の老舗レストランで、石炭の火力を活かしたこだわりの味、歴史を感じさせる落ち着いた雰囲気の内装、気さく且つ気の効いた接客態度など、どれをとっても「一流」の店である。

ここで食事をすると味はもちろんだが、随所に”プロフェッショナル”を感じることができる。

例えばオーダーを取る際、「オーダーシート」を持って来ない。
こちらの顔を見ながらメモを取らずに注文を聞き、そして確実に内容を覚えて正しい料理を運んでくれる。

これはまさしく「プロ」のなせるわざである。
2、3品の注文なら簡単に覚えられるかもしれないが、先日の結婚記念日に私たちが訪れた際は大人3名子供2名の計5名。
それぞれが勝手な注文をし、パン・ライスの組み合わせもバラバラ、飲み物ももちろん頼んだ。
オーナー夫人であるYさんは私たちがメニューを口に出すたびに目を見てしっかりと受け答えし、最後に注文内容を確認して軽やかに厨房に消えた。

そして数分後…

温めたお皿とパン・ライスが運ばれ、続いてアツアツのオニオングラタン・スープなど、頼んだものが程よい温度を保って運ばれてきた。

オーダーを取る際、下を向いてメモをとらずにお客様と向き合ってしっかりコミュニケーションを取る―

これは東洋亭さんのような店にとっては当たり前のことなのかもしれないが、普通の店ではできそうでなかなかできないことである。

私は初めてこの店を訪れた時、まずこの点にとても感動した。

また、丸太町東洋亭ではとてもゆったりとした空気を感じる。
何故か?

広い空間に6テーブルしかないからか?
料理の運ばれてくるタイミングがゆっくりとしていて、程よいスピードで食が進むからか?

理由はいろいろ考えられるがその一つが先日解き明かされた。
それは「夜の食事の時間には最大6組しか入らず、また時間制限もない」ことである。
すなわち何時からの予約で何人であろうと1日にテーブル数以上の予約は受けないし、6時に店に入って10時までいても構わないのである。

オーナー夫人のYさん曰く「お客様にゆっくりと食事を楽しんでもらいたいから」だそうだ。

例えば6時に予約で3テーブル埋まっていたとする。
7時から更に予約で3テーブル埋まるとしても、テーブルが全て埋まっているのは7時からの1時間くらいのことで、しかも4人掛けのテーブルが4人組で全て埋まることはまずありえないので、店内が混み合っているような感じにはならない。
まぁ仮に6テーブル全てが同じ時間帯埋まっていたとしても、店内が広々としているので気にならないだろうが…。

テーブルが空くのを入口で待っているようなお客もいないので、非常にゆったりとした時間・空間を味わえる。
食事をしている際、混んできて入口で待っているような人が視界に入ったら何となく気ぜわしく、早く席を立たないといけないような気がするので、こうした店側のちょっとした配慮(でも店にとっては採算が悪いだろう)がとても有りがたい。

とにかくさりげなく、いろいろな気配りの行き届いたレストランなのだ。
さすが老舗!!

料理のお味の方ももちろん文句のつけようのない「プロの味」である。

どうなふうに美味しいかは言葉で十分に表わす自信がないので控えるが、石炭ストーブで長い月日をかけて煮込んだデミグラスソース、とろけるようなスープやシチューの味…

あぁ、プロフェッショナル!

美味しいものを出す店はいっぱいあるが、おこがましいことを言えば頑張ればできそうな美味しさと、どんなに頑張っても作り出せない美味しさとがあると思う。
丸太町東洋亭は無論後者だ。

…しかしマネできない味だと思えばますますマネしたくなるのが人情。

後日デミグラスソースを作った私であるが見事沈没した。
それなりに美味しく出来ても所詮家庭の味。

「完敗だ」
―30年ほど修行が足りないことを痛感した。

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2006年11月 7日 (火)

愛用品

前にも書いたが首と顔の下半分にアレルギーが出る私。
生地で覆うなど外気と触れないようにすると比較的防げるようなので、外出時はストール着用もしくはタートルの服が多くなる。

061107nativeworks そんな私が最近愛用しているのが「NATIVE WORKS.」さんのタートル。
極細のオーガニックコットン生地で体にフィットするように作られているので軽くて肌ざわりが良く、インナーとしてもOK、デザイン性も高い優れものである。

うちの店にもTシャツと同じオーガニック素材のタートルはあるけど首にフィットするデザインではないので、私の場合調子悪い時はアレルギー対策として中にスカーフを巻かなきゃいけなくなるのだ。
その点、NATIVE WORKS.さんのはネック周りがきつすぎずゆるすぎず、私の要望を全て満たしてくれる。

このNATIVE WORKS.さんは奈良に工房兼ショップを持つ。
オーガニックコットンなどナチュラルなものにこだわったものづくりを2人でされている。
大阪コレクションにも出ていたくらいなので、ファッション性ももちろん高い。

ショップは近鉄奈良駅からちょっと頑張れば歩いて行けるところにある。
このお店が商品同様すご~~~~くかわいいのだ。
古い空家を自分たちで手を加えて工房兼ショップにされたそうなのだが、あの雰囲気は…うーん、うまく説明できな~い!
お客様に聞かれるといつも「とにかく行ってみてください」と言っている私…。

京都在住の身にとって近いようで遠いのが奈良。
本当はシーズンごとに新商品を観に行きたいのだが、なかなか行けないのが残念だ。
正倉院展の帰りに寄ってみようかな。

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2006年9月 7日 (木)

琉球ガラス

琉球ガラスに惚れて1年。
きっかけは時々納品に伺うシサム工房さんで琉球ガラスのグラスを見たことだった。

ぽってりとした肉厚なガラス、手に取るとしっくりくる適度な重さ、ガラスの中に見える大小の気泡・ひび割れ…
最初に見たときは悩んで買うのを見送ったが、買うことを決意し、お店を覗くとすでにほとんどSOLD OUT。
それ以来いろいろなところで探していたが、「琉球ガラス」自体はネットでも簡単に見つかるものの、私がシサム工房さんで見たような雰囲気のものはなかなか見つからない。
そこでシサムのスタッフの方に、「今度入荷したら連絡くださいね」とお願いしていた。

その後も私は沖縄好き・ガラス好き・雑貨屋さん好きというような人に出会うたびに、琉球ガラスのことを聞き続けた。
ある時、ウチの工房の染め体験教室にガラス作家の卵、Iさんがいらした。
Iさんにもいつものように琉球ガラスのことを聞くと彼女はいろいろ教えてくれた。

曰く「今では『琉球ガラス』と言って売っているものの大半が人為的に気泡やひび割れを入れて作ったもので、本来の作り方である再生ガラスで作ったものはほとんどない」。

え~~~~~~~っ!そうなんですかぁ?

そして更にガラスのことをよく知っている人が見れば、昔ながらの方法で作っている琉球ガラスかどうかはすぐに見分けがつくが、シロウト目にはわからないだろう、とのことだった。

エ~~~~~~~ッ!!ソウナンデスカ!?

そして時は流れ、8月の半ばにシサムのスタッフの方から連絡をいただいた。
「お待たせしました。琉球ガラスが入荷しました」

嬉しいな。どんなものが入荷したんだろう。
でも万が一ニセモノ(と言うと語弊があるが)の方だったらどうしよう。
いや、シサムさんに限ってそんなことはないやろ…でも保証はないしな…。

悶々とした日々を送りつつ、忙しさにかまけて見に行けずに日にちが経ってしまったが、昨日やっとシサム工房六角店に行くことができた。
そして…

060907ryuukyu02 これこれ。
このぽってり感がいいのよね…
ナニナニ?
フムフム…

そこにはちゃんと「再生ガラスで昔ながらの方法にこだわって作っている工房のもの」だと表示があった。
ヤッタ~!さすがシサムさん!

スタッフの方にお話を伺うと、やはり「琉球ガラス」として売られているものでも昔ながらの手法で作っているものは少なくなっているそうだが、買い付けに行っている工房では頑固に昔からの方法を守っている、とのこと。
更に「沖縄って冠婚葬祭を大事にするので引き出物の注文があると、まず真っ先にそれを優先しちゃうんですよ。なので商品の入荷が遅れてしまって…」とのこと。

いいなぁ。
ガンコな職人さん、という感じで。
頭に浮かんだのは色の黒い、シワシワの大きな手をしたおじーちゃん職人のイメージ。

かくして喜び勇んだ私は待望の琉球ガラスを手に入れた。
ウレシイッ!!!

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