2009年3月20日 (金)

私設美術館に行こう!

京都商工会議所の催しで細見美術館館長さんの講演を聞く機会があった。

お題目は「京都の琳派から日本の美意識を考える」。

スライドを見ながら館長の細見氏が絵師の特徴や時代背景、作品についての解説をしてくださったのだがこれがなかなか、いやとても面白い!

細見家三代にわたって日本の美術工芸品を集めてこられただけあって、その語り口からは成長するにつれて習得された知識の他に、生まれながらにして自然と身に付いていたのではないかと思われる、“美”に対するセンスのようなものが感じられた。

広く深い知識から成る、私のような素人にもわかりやすい解説のおかげで講演会の1時間は瞬く間に過ぎ、実際に琳派の作品を見るために細見美術館へ移動―

細見美術館は京都市美術館や国立近代美術館もある岡崎エリアに位置する。
私はここには初めて入ったのだが…ここはイイ!!

何が「イイ」のかって、とにかくハコが面白い。
美術館の建物自体が美しい建造物であり、私設美術館ならではのオーナーの“好み”が感じられる。

各展示室は大きな美術館ではまずあり得ない小部屋で、展示品は数点ずつ、次の展示室に移るには自動ドアを通らねばならない。

展示室は美術館の内壁に沿ってぐるりと進むような形に並んでおり、吹き抜け状になった中心部近くにあるカフェとショップには、美術館に入館しなくても直接外から入れるようになっている。

最上階には茶室があり、畳間は開け放たれ、野点席風のイス席もあって広々とした空間を演出している。

茶室と美術館出入り口を結ぶ階段の踊り場からは疏水を挟んで京都会館が見え、これまた開放的な美しい眺めである。

これも十分に計算された『借景』の一つであろう。
川べりの桜が咲く季節、新緑の季節、紅葉、冬景色など、四季折々に素晴らしい眺めとなるのだろう。

次は是非桜が咲いた頃に訪れたいものだ。

私設美術館だからこそできるある種の『贅沢』・・・

樂美術館といい、細見美術館といい、今、私設美術館が面白い…かも。

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2009年2月23日 (月)

京都御所ゆかりの至宝展

「京都御所ゆかりの至宝」展を見るため、京都国立博物館へ。

09022302最終日ということもあり、入館は20分待ち。
とはいえ、もっと長蛇の列かと思っていたので、20分程度とはちょっと意外だ。

館内には歴代天皇の肖像画や書簡、工芸品などがずらりと並ぶ。
蒔絵の櫛箱や螺鈿の硯箱など、天皇家にまつわる品々だけに華やかで格調高いように見える。

中でも目を奪われたのはやはり「宮廷の装束」のコーナーだ。

天皇家に嫁いだ徳川家二代将軍秀忠の娘、徳川和子の十二単など、大して色褪せることなくきれいなままで保存された装束が展示室の1コーナーにずらりと並んでいる。

ガラスケース越しではあるが、それはなかなか圧巻な眺めであった。

宮中で大切に使われ、保管されてきたのであろう。
どの品も200年・300年経ったものとは思えない。

有職文様柄に織り上げられた生地、鮮やかな紅の色合いなど、ため息が出るほど美しく優美である。

表地が萌黄色、裏地が縹の小直衣…その色合いの美しさは図録の写真からはほど遠く、並んで待ったかいがあったというものだ。

―今度袷の着物を作るとき、もしくは長襦袢を作るとき、その色使いいただいた~~!!

と心で叫んだが、あの気品ある色合いを出すことができるだろうか?

ここはひとつオットに頑張ってもらいたいところだ。(←人任せ)

・・・

いいもの見て満足して外に出た。
何となく博物館の入口にあるカフェに入ろうということになった。

私は白玉あずきしること塩昆布・日本茶という取り合わせの“ぜんざいセット?”を頼んだ。

どうも「日本の美」のイメージが強くインプットされてしまったらしく、舌も「和風」を求めていたのだ。

運ばれてきたセット…正直がっかりだった。

自分で入れるお茶のほうが絶対おいしいぞ。
博物館に併設してあるカフェなんだから、もうちょっと頑張ろうよ~と思ったが、よく見るとそのカフェは「か○ふね屋」。

…仕方ないっか。

夕食時にビールで口直ししましたとさ。

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2007年7月26日 (木)

高台寺夕涼み茶会

先だっての日曜日、友人Mさんを誘って高台寺でこの時季に行われている「夕涼み茶会」に参加した。

これはちょっと観光客向けっぽいお茶会で、ゆえに説明も丁寧であるし、何より“お茶会での作法”にあまり神経質にならなくてもよい、初心者にはありがたいお茶会である。
(ちなみにMさんはお茶の心得のある方だが、シロウトの私にも喜んでお付き合いくださる、有り難くまた頼りになる友人である。)

さてこのお茶会、「夕涼み」という名が示すとおり夕刻に行われる。
私たちが高台寺に到着したのは5時半頃であろうか、少し日が傾きかけ、蝉の声以外にカラスの声が山々に響きあう、そんな時間帯である。

高台寺なんて何年ぶりだろう。
10年ほど前にライトアップ拝観に来たことがあるような気がするが…

そんな会話をしつつ係の人の案内でお茶室に向かい、まず「待合」と呼ばれる部屋に通される。
ここで一緒にお茶会に参加する「客」が揃うまで待つのだ。

1回目のお茶会はもう始まっているらしく、荷物は置いてあるが待合の中には誰もいない。
私たちが軸(豊臣秀吉公を描いたものらしい)の拝見などをし、入口近くに座って待っていると観光客らしいカップルが一組入ってきた。
どうやらその日2回目のお茶会はこの4人だけのようである。

しばらくすると作務衣姿の女性が現れ、廊下を通って茶室へと案内された。
070726cyakai03茶室は20畳ほどあろうか、陣幕が張られ、兜が飾られ、夕涼み茶会の別名「陣中席」にふさわしい設営である。
外でカラスがカアカアとうるさいのもなんとなく「陣中」っぽい気がする。

陣中席とは…
このお茶会は「秀吉公が戦場で士気高揚のため武将たちに茶を振舞った」という謂れにちなんで催されるものなのである。
だから普通のお茶会とは少々雰囲気が異なる。

どこが違うかというと、陣幕の張られた設営もそうだが…とにかく道具がデカイ!
茶碗・茶杓・茶筅…全てが笑ってしまうくらい大きいのである。
茶碗なんて直径25cmくらいあるし、茶筅は泡立て器くらいある。

本当にこんなに大きな道具を使ってお茶を振舞っていたかどうかは定かではないが、大きな茶道具が実際に残っているし、そこからこういうお茶会をしていたのではないかと推測して再現しているそうである。
070726cyakai02_1なるほど、「現存唯一の陣中釜」として飾られている釜は確かに大ぶりである。

お茶を点てるのは案内役の女性と同じく作務衣姿の女性。
その脇に立った女性が道具の解説などを丁寧にしてくれるのが嬉しい。

まず運ばれてきた主菓子は瓢箪を形どったもの(ちなみに大きさは普通サイズ)。
これは秀吉公の馬印の「瓢箪」にちなんでいるらしい。

お菓子をいただくことに夢中でお茶を点てる所作を見落としてしまったのだが、大きな大きな茶碗がMさんのところに運ばれてきた。

「お点前頂戴致します」
とMさんは両手で茶碗を持ち上げたが、かなり重そうである。

そして次は私の番。
このお茶席では仲間内で回し飲み(と言うのだろうか?)するようになっているので、Mさんと私で一服のお茶をいただくことになる。

Mさんから受け取ったずしりと思いその茶碗を大事に持ち上げていただく。
楽茶碗だもの。
落としたら大変だ。

とにかく落とさないように、こぼさないように気を遣いながらお茶をいただく。
泡立ちもきめ細やかで、たいそう美味しいお茶である。

4人ともいただいた後、間近で道具を拝見させていただいた。
やはりデカイ・・・

―こんなに大きいと点てにくいのでは?
と説明役の女性に聞いてみたところ、
「みなさんそうお聞きになられますけど、意外とそうでもないんですよ」。

―そうか。今度ボールと泡立て器でやってみよう。

070726cyakai04やはり巨大な棗は蒔絵をほどこしたものである。
でもこれはいわゆる「高台寺蒔絵」ではないそうだ。
「高台寺蒔絵」の定義を初めてそこで教えてもらった。

あれやこれやと教えて頂いた後、更に庭の散策(解説付き!)・掌美術館の見学・点心席・食後の喫茶と盛りだくさんで、たいそう贅沢な2時間半であった。

住んでいるからこそ知らない京都、探せばいろいろ面白そうな催しがあるものだ。
しばらく観光客になりきって探してみよう。

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2007年6月10日 (日)

茶釜と体験茶会

学校で体験した「お茶」が面白かったらしく、お茶にちょっと興味のある長男。
「お茶」が何であるか全くわからないまま、兄と母の会話に口を挟んで「み○らくんもお茶したい~!」と叫んだ次男。
そして茶碗やお菓子に興味はあるが知識と実技は長男と同レベルの母。

この3人でも臆することなく参加できるお茶会…

「そんなのあるわけないやん!」
とあきらめることなかれ。

探せばちゃんとありました。
…というわけで、行ってきたのは大西清右衛門美術館の「茶釜と体験茶会」。

大西家は脈々と続く釜師の家系で現在のご当主で16代目という、とっても歴史のあるお家なのだ。
(という事実は今回このイベントに参加するに当たって初めて知ったことであり、大西清右衛門美術館の前もよく通っていながらそこが「美術館」であるとは全く気付いていなかった。)

そんな由緒正しい大西家の所有する釜の数々を展示しているのが同美術館であり、そこでは時折子供向けの体験イベントも行われているようだ。
今回は次男が最年少、その他の子供は長男と同じ位の年齢と見受けられる女の子が4人、そしてそれぞれの保護者、というメンバーで大人4名子供6名の計10名である。

まずは茶室に通され、簡単なお茶会?である。
和菓子をいただき、着物姿のきれいなお姉さんが見本を示してくれた後、それぞれお盆の上でお茶を点ててみる。
子供がメインということで、お茶の点て方・いただき方などポイントのみを優しく教えてくださり、和やかな空気で「茶室の雰囲気」を味わう。

次に普段は当然触れないような古い釜が3点出てきて、特別に鑑賞させてくださった。
子供たちはどの子も受付でいただいた写真付きの子供向け資料と見比べ、興味津々で触ったり、質問したりしている。

こんな貴重なものを子供に触れさせていいのか?
というくらい古い釜もあるのだが、こういう「本物に触れる」という体験はどこでもできるわけではないので、どの子もそれを子供なりにわかった上で丁寧に拝見しているように見えた。

茶の湯釜拝見の後は上階の展示室へ移動し、資料に載っている写真と現物を見比べる。
私は不勉強で釜などじっくり見たことがなかったのだが、鐶付(かんつき=釜の持ち手部分)や撮(つまみ)にもいろいろなデザインがあり、よく観察すると動物や植物のモチーフとなっていたりして面白い。

子供たちも丁寧な資料と優しいお姉さんの解説のおかげで釜の図柄にとても興味を持ったようで、「蟹があった!」「まつぼっくりや!」と喜んでいる。
お姉さんは子供の反応にいちいち丁寧に応答してくれ、子供たちの関心は更に高まる…

約1時間強の体験会であったが、子供を飽きさせない工夫が随所に感じられ、しかも大人にも大変勉強になる素晴らしい企画であった。

大西清右衛門美術館の皆様、ありがとうございました。

長男・次男とも「また来るかもしれない!」とお姉さんに言い残して出て来たが、美術館でウチの子が再訪をにおわせたのはこれが始めてである。
たぶんここを訪れた子供の多くは「お茶」に更に興味を持つことができるのではないだろうか。

そして私のような超初心者の大人にも子供向けイベントは本当にわかりやすく、気軽に参加できるのでうってつけである。
子供をダシに、次の企画を物色するのもまた楽し、である。

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2007年5月16日 (水)

コンフィダント・絆

先日三谷幸喜の新作「コンフィダント・絆」を観に行った。

久々の観劇、観劇、観劇…
しかも
大好きな三谷幸喜、三谷幸喜、三谷幸喜…

友人のツテでチケットを入手してからというもの、この日を待ち望んでいたのだが、あまりに期待が大きいと期待はずれになるのが世の習い。
いくら三谷作品といえども自分の中では期待はずれだった「みんなの家」や「THE 有頂天ホテル」の例もあるし、過大な期待は禁物だ。

―と自分を戒めつつ当日を迎えたわけだが・・・

あぁ、やっぱり期待通りの出来だった!!

まず冒頭、老婆のルイーズ(堀内敬子)の回想シーンから始まるのだが、一瞬にしてルイーズの若かりし頃、1880年代のパリのアトリエでのシーンに切り替わる。
何ということはない演出だがその切り替わりが見事で、舞台にぐぐっと引き込まれた感じだ。

ゴッホ(生瀬勝久)・ゴーギャン(寺脇康文)・スーラ(中井貴一)・シュフネッケル(相島一之)の4人の芸術家が集うそのアトリエでの微妙な友情、才能への嫉妬、芸術家同士の駆け引き…

今回のお芝居は同じ歳の男優4人(+三谷幸喜も同じ歳)ありきで題材を考え、19世紀末の同年代の芸術家たちに目をつけて架空のストーリーを作ったそうだが、ストーリー自体は架空でありながら描く人間像は深い。
時にコミカルに時にシリアスに、ストーリーは展開していき、最後にはホロリとさせられる。
単なるコメディに終わらない、素晴らしいストーリーだ。

また、脚本が素晴らしければキャスティングも絶妙である。
男優4人はそれぞれアクの強いキャラクターを、個性的に演じていて甲乙つけがたい…が、独断で甲乙つけるとすると・・・

中井貴一

この人はやっぱりスゴイ!
シリアスからコメディまで、守備範囲が広い俳優さんだと思っていたけど改めて惚れ直した。

他の3人の男優もいずれ劣らぬ一流揃い。
紅一点の堀内敬子さん(すみません。実は堀内さんだけ知りませんでした…m(__)m)もとても優雅で可憐で素晴らしく、みなさん“一流オーラ”を発していた。

そうした眩しいほどのオーラを直接感じることができるのが、お芝居のスゴイところだろう。
舞台と観客が一体になる感じは映画では味わえない。
「ライブ」ゆえの臨場感、躍動感はたとえ同じモノをDVDで観たとしても味わえるものではない。

―そういうものを味わいたいから劇場に足を運ぶのだ。

カーテンコールで心から拍手を送りながら、そんなことを考えた。

よし、絶対次の作品も観に行くぞぉ!

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2007年4月26日 (木)

山笑ふ ~北村美術館

070426kitamura02 北村美術館で開催中の「平成19年取合せ展 山笑ふ」に行ってきた。

北村美術館と言えば茶道関係美術館の先駆け。
毎年春季と秋季の年2回、創設者である北村勤次郎の蒐集品を折々のテーマによる企画展示として公開している、茶道具と古美術を中心とした私設美術館である。

…という情報もつい先日知ったばかりで、茶道に関する知識など無に等しい私だが、知識があろうとなかろうと関係ない、興味があればいいのだ。
とにかく「山笑ふ」を見に行った。

同美術館は京都御所の北東の方角に位置し、閑静な住宅街にある。
美術館としては小ぢんまりした感じで、高級住宅を改装したような雰囲気だ。

070426kitamura03 階段を上がって2階の入口から入る。
―ウィ~~~ン(自動ドアの開く音)。

入ってすぐの受け付けで入館料を払うと、係の女性が「たった今、館長と団体さんが入ったので、よろしかったら後から一緒に説明を聞かれてはいかがですか?」と勧めてくださった。

それはありがたい、茶道具に興味はあるけど知識が皆無なもので…と、早速10名ほどの団体さんの最後尾にくっつかせてもらった。

館長さんの説明は今まさに始まったところというタイミングで、まずは展示会のタイトル「山笑ふ」の説明だ。

「山麓の別荘で観桜茶会を催すことを想定した展示品ですので、タイトルもずばり『観桜茶会』にしようかと思ったのですが、『桜』としてしまうと5月に入れば誰も見に来てくれなくなる…そこで『山笑ふ』としました…俳句の季語ですね」

なるほど。
「山笑ふ」は俳句の季語なのか。

―〝山笑ふ〞は俳句では春の山を意味する。芽吹きがはじまり,山桜や辛夷などが咲きはじめた春の山は生気に満ち,いかにも笑っているかのように見える―だそうだ。

陳列ガラスの中の貴重な品々を見ながらの館長さんの説明は続く。

まず最初の陳列ガラスには茶会に招かれた際、待合(客たちが待つことになる部屋)で目にする道具が収まっている。
次の陳列ガラスには四阿(あづまや)、その次は本席(広間)というように、茶会で拝見する道具を部屋別に分けて展示してある。

館長さんはそれらの貴重な展示品を示しながらあれこれ説明してくださる。

「…九谷焼の特徴である花鳥と渦、これらを一つの鉢の中に一緒に描いている珍しい鉢で…」
フムフム。

「…棗(なつめ)が小さめなのは子供用に用意したものだからなんです。」
フムフムフム。

「…茶碗はそれぞれ産地の異なるものを用意するんですね。複数用意するときは中に黒い碗を混ぜた方が落ち着きます。今日は黒織部を入れています。」
フムフムフムフム。

「…藤原定家筆の重要文化財です…」
フムフムフムフムフム。

聞けば聞くほど「フム」の回数が増えていく。
とても貴重な品を貴重な解説と共に拝見していることは、茶道のたしなみのない私にもわかる。
個々の道具のラインの美しさ、絵柄の優美さ、豪奢ではなく無駄のない美しさ・・・

“日本に京都があってよかった”
なんていう、日頃はちょっとわざとらしいコピーだなぁと思っている、京都市の観光キャッチフレーズすら浮かんでくる。

ああ、いいもの見せてもらった。
いい解説を聴かせてもらった。
説明を聞かせてくれた館長さん、後ろに紛れ込ませてくれた団体さん、ありがとうございました。

「山笑ふ」は6月10日まで。

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2006年12月 9日 (土)

チェロコンサート

先日染め体験教室にお越しくださった林裕氏のチェロコンサートに行ってきた。

1時間ほどの限られた時間の中に映画音楽あり、古典音楽あり、親しみやすいトークと演出ありで、本当にあっという間の楽しいひとときであった。

チェロってこんなに雄弁な楽器だったんだ・・・

音楽っていい!

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2006年12月 5日 (火)

ピクサー展

061205pixar02 兵庫県立美術館で2日からピクサー展を開催している。
ピクサーファンとして、これは見逃すわけにはいかない。
日曜日早速行ってきた。

連れは長男・次男とスタッフR子ちゃん。
貴重な休みの日に騒がしい子供を2人も連れた私にわざわざ付き合ってくれるなんて、R子ちゃんはよっぽどヒマ…いや訂正、何て優しいんだろう。
彼女の付き添いのおかげで神戸までの道中もすんなりいった。

会場となった兵庫県立美術館では、同時に別棟で「エコール・ド・パリ展」もやっていた。
ピクサー展の入口に向かうのは家族連れや若い女の子グループなどが多い。
今回の展覧会は子供連れでも安心して見ることができそうだ。

ワクワクしながら中へ入る。
まず足を踏み入れたのは大画面で物語の世界を体感することができる「アートスケープ」。
3Dではないのだがスクリーン映像の動きによって、バグズライフの虫の視点の世界、ファインディング・ニモの海の世界など、ピクサーアニメの世界にいるような気分になれる。
前夜に『バグズライフ』を観てピクサー制覇の長男と次男、「Mr.インクレディブルや!」「次はカーズ!!」と楽しむことができた。

このピクサー展では作品紹介ではなく、"how to make"の視点でピクサーのキャラクターたちのスケッチやストーリーボードなど、ストーリーの大筋を作るまでの作品が多数展示されていて、とても面白い。
例えば『モンスターズ・インク』のサリーでもキャラクター像を決定するまでにはたくさんのデザイン画やイメージ図を描いている。

ピクサーといえばCGのイメージがつきものだが、従来のアニメーションと同様、手作業によるところが大きいのだ。
一つの作品を作るためにはコンセプトや世界観など、構想を練るまでに全労力の3/4をかけるそうだ。

さすがストーリー設定に凝っているピクサー、ますますファンになった。

最後のブースでは、少しずつ違う動きをしているフィギュアが円周上に並べられており、メリーゴーラウンドのように円がまわると高速回転になったとき、フィギュアが立体アニメのように動いて見える「立体ゾーエトロープ」というしかけがあった。
パラパラマンガの要領らしい。
長男・次男はこの仕掛けがいたくお気に入りで、いつまでも飽きずに眺めていた。

大人も子供も楽しめるピクサー展、これで大人1200円(HPから割引券をダウンロードすれば200円引き)とは安い!!

…が出口のところにあるグッズコーナーであれこれ物色しているうちに、4回入場できる買い物をしてしまった。
こういう大人がいればモトは十分とれるか・・・

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2006年11月11日 (土)

応挙と芦雪

よく晴れた暖かな日、「正倉院展」と「応挙と芦雪」展をハシゴするという贅沢なことをした。

よく晴れた暖かな日だったからかどうかはわからないが、正倉院展はすごい人だった。
会場の奈良国立博物館をぐるりと囲むようにして長蛇の列ができており、入館するのに1時間待ちである。

それに反して奈良県立美術館で開催中の「応挙と芦雪」展はガラガラだった。
京都国立近代美術館での「若冲」展くらいの人混みは覚悟していたのでちょっと拍子抜けした。
おかげでじっくりと見ることかできてよかったが…。

061111oukyo02 さて「応挙と芦雪」である。
「若冲と江戸絵画展」で長沢芦雪の『白象黒牛図屏風』に惹かれて行ってみたのだが、今回の展示会のタイトルには「天才と奇才の師弟 応挙と芦雪」とある。
そしてタイトルどおり、師弟の作品の対比ができるように同じような題材のものを並べて展示していた。

この展示の仕方は非常に面白く、またそれぞれの画風の違いが引き立って見やすかった。
細部まで丁寧に写実的に描いた応挙に対して、写実的ではあるけれどどこか大胆で捻りのある芦雪。
二人の作品が並んでいると「天才と奇才」というタイトルに納得がいくような気がする。

会期中、前期と後期で展示品を総入れ替えしたため、前期の作品が全く見られなかったことが残念だが、応挙と芦雪の作品を一度に見られる機会を得られて良かった。
仕事関係で絵を描いてもらっている絵師Fくんの作品に興味のある長男を連れて、会期中に是非もう一度行ってみたい。
でも奈良だからな…ちょっと遠いな…。

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2006年11月 2日 (木)

若冲と江戸絵画展

061102jyakucyuu02 近代美術館で開催中の「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」へ行ってきた。

染色の仕事に携わるようになってからなるべくこうした催しに足を運んでいるが、日本画はおろか、美術に関する知識などほとんどない私は「伊藤若冲」の名も今回初めて知った。
先入観なしで見るのはいいことだろうと自分に都合のよい理由をつけて、敢えて何も知らない状態で足を運んだのだが…

膨大な数の展示品が個人のコレクションであることにまず驚かされた。
それも展示品はその一部であるという。
所有者のプライス氏はニューヨークの画廊で無名だった若冲の絵に魅せられ、卒業記念に買う予定だったスポーツカーの代わりに絵を手に入れた―それが江戸絵画コレクションの始まりだったとか。

プライス氏を魅了したその若冲、ちょっと変わり者だったようだ。
絵の良し悪しはわからないが、これ日本画?と思わせるようなエキセントリックなものもある。

一番目を引いたのはたくさんの動物を大きな屏風にカラフルに描いた『鳥獣花木図屏風』。
楽園をイメージさせるその絵はモザイク画のようなもので「升目描き」という技法だそうだ。
タテヨコ約1cmの方眼紙状になるように線を引き、その升目に1つずつ色をつけていくのでモザイクのように見えるのだが、この屏風には86000もの升目が使われているという。

86000…気が遠くなるような作業だ。
若冲は西陣織の下絵からこの描き方を思いついたとか。
日本画らしからぬ色使いや構図、今見ても斬新で魅力的なこの屏風だが、当時はどう評価されたのだろうか。

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見どころ満載の若冲と江戸絵画展、行ってきてよかった~

でも個人的にはこの江戸絵画展で一番印象に残ったのは長沢芦雪の『白象黒牛図屏風』。
構図の大胆さがひときわ目を引く作品だ。

長沢芦雪…よく知らないけどもっとたくさん見たい…と思ったらなんとタイミングよく、「応挙と芦雪」展をやっているじゃないか!
これも行ってみようっと。

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2006年10月 6日 (金)

プラド美術館展

プラド美術館展に行った。

いつものように入口で音声ガイド機を借り、いざ中へ―
予想に反して館内は意外とスムーズに人が流れている。
友人と私は順路に沿って順に進んだ。

展示室には16世紀・17世紀のスペイン宮廷画家の作品や宗教画などがずらりと並んでいる。
中には学生時代世界史の図録で見た作品も…
絵画に対する知識は貧弱なので「図録で見た○○だ!」というような発想がまず第一に浮かぶのだ。
そんな私には音声ガイドは強い味方である。
丁寧に、かつポイントをおさえて解説してくれるので、美術展などに行くと必ず借りてしまう。

ところで今回は直前に読み終えた「ダ・ヴィンチ・コード」の影響もあり、特に興味深く宗教画を見られた気がする。
―この絵にはメッセージは隠されていないだろうか?
―よく見ると不自然なポーズのものはないだろうか?

一点ずつ丁寧に作品を見ていったが、残念ながら私にわかるメッセージは何も残されていなかった。
しかしおかげでいつも以上に注意深く観察することができた。

    ※      ※      ※

こういう美術展に行くといつも思うのだが、世界史や宗教史に対する知識があればもっと楽しめるに違いない。
16世紀・17世紀といえば確かスペイン黄金時代と衰退期に当たるはず。
当時の王家の肖像画を見ていると、その裏に隠された政治の舞台裏が想像されて面白い。
と言っても私の曖昧な記憶を総動員しての想像だから、拡がりに欠ける。
世界史をもうちょっとちゃんと勉強していたら、もっと面白いんだろうな…。

反省しつつも、視覚・聴覚をフル作動して見ていたらお腹いっぱいになった。
プラドと「ダ・ヴィンチ・コード」、そして夏に観た「藤田嗣治展」、うまく言えないけど少しずつつながりが感じられて面白い。

機会があれば他の美術展にもできるだけ足を運ぼう。
いろいろなものを見れば、点と点が線でつながるように背景への興味がつながっていくに違いない。

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2006年7月21日 (金)

藤田嗣治展

060721fujitatsuguharu02 京都国立近代美術館で開催中の藤田嗣治展に行ってきた。

…スゴイ。

私は絵に関して造詣が深いわけでもないし、絵心があるわけでもないのでコメントは差し控えたいが

…やっぱりスゴイ。

あの柔らかな布や温もりのある肌。
油絵らしからぬ繊細で軽いタッチ。
死者の魂の叫びが聞こえてきそうな戦争の絵。

…すごすぎる。

何かを見て心が震えるというのはこういう感じのことか?
あんまり書くとウソ臭くなるのでやめておこう。

稀代の天才、稀代の変人(に見えた)、藤田嗣治。
京都国立近代美術館。23日(日)まで。

(注:近代美術館の回し者ではありません)

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2006年7月18日 (火)

祇園祭のお茶会にて

祇園祭宵山の16日、友人のMさんと共にあるお茶会に出かけた。

この「お茶会」、正式には「献茶祭」といい、祇園祭期間中に多数執り行われる神事の一つである。
宵山の16日、八坂神社に全国から茶道関係者が集まって行われるのだが、神社外でも周辺に茶席が設けられ、そこには私のような茶道の「サ」の字も知らないシロウトも参加することができる。

と言ってもチケットを持っていないと参加することはできないので誰でも行けるわけではない。
そしてそのチケットはぴあで売っているわけではない。
どういうルートでお茶券が回っているのかは知らないが、なかなか手に入らないものなのだ。

とにかくそんな貴重なお茶会にMさんのおかげで参加できることになり、7月に入って祇園祭の「コンチキチン」という音が聞こえてくるようになってから、ワクワク・ソワソワの日々を送っていた。

さて当日―

祇園へタクシーで駆けつけた私たち。
美濃幸さんと万亭(一力茶屋)さんをはしごするため、9時前から列に並んだ。

お茶会なんて初めての私はすっかり「おのぼりさん」の気分。
そそうのないようにせねば…
しかし朝出掛ける直前に慌てていてドアノブに着物の袖をひっかけて破いてしまい、サザエさんのようなスタートを切ってしまった私、本当に大丈夫だろうか…?

心の奥底に眠っていた不安が神に通じたのだろうか、神は荒療治に出た。
順番が回ってきて通された茶席で空いていたのは正客席だったのだ。
(…と言っても実は「正客」という言葉を知ったのすらその日が初めて。)

50人ほど入れる茶席で前の人から奥に座ってしまい、なぜか不思議に空いている空間があった。
子供の保育園の講演会などに行って後ろの方の席からみんなが座ってしまい、最前列の講師の目の前の席だけが空いている―ちょうどそんな状態だった。

Mさん、私…と座ったのに私の隣の空間に来るべき次の人が他のところに行ってしまい、隣は空いたまま。
すると主催者側の人が「そちらの方たち(私たち)、詰めてください」と促した。

友人Mさん(彼女は茶道のたしなみがある)は「エ~ッ!ちょ…ちょっと…誰か他の人座ってよ~」と慌てているが、正客席の意味を知らない私には怖いものはない。
無知は強い…。

結局覚悟を決めたMさんが、お茶会初体験の私と入れ替わって正客席に座ってくれた。

ちなみに「正客席」とは―
『一番の上座。亭主とのやり取りをこなせるだけの茶道の知識を持ち、趣向を敏感に察知するセンスを要求される席。正客の隣が次客。正客に準ずる賓客』(伊藤園HP「お茶百科」より)
だそうだ。

2軒目のお茶席では正客席に最初に入った50代と思われる上品な男性が正客席に座っており、お茶を点てる主人と和やかに茶道具の話などをしながら場の雰囲気を盛り上げていた。

ナルホド。
「正客」とはこういう気の利いた会話のできる人でなくてはならないのか…。

いや話を元に戻そう。
1軒目のお茶会で「正客席」「次客席」についた私たちの前に貝の盛られた籠が運ばれてきた。

これは…ハマグリ?
???の私に頼りになるMさんが小声で教えてくれた。
「これは『浜土産(はまづと)』というお菓子。こうやってここから割って(と言いながら貝をパカッと割る)…取った殻をスプーンにして中身をすくってひと口で食べる」

貝を開けた中身は琥珀色の寒天だった。
あぁ涼しそう。
こぼさないようにひと口で食べないとね…
緊張しつつ、Mさんの真似をして無事に食べ終え、殻を懐紙に包んでそっと後ろに置いた。
とりあえず第一関門突破。

そしていよいよMさんの前にお点前が運ばれてきた。
彼女は優雅な動きでお茶を飲み、つつがなく飲み終えた。

Mさんが飲み終えると奥から順ぐりにお茶が運ばれてきた。
次は私!
と思いきや、次のお茶は私を素通りして隣の女性へ運ばれた。

え?
そんなぁ~。一つとばしなんてフェイントやん。
私がお茶会初体験なことを見抜いたとしたらアッパレ!
でもそんなわけないやんなぁ。なんで??

私の動揺を察したのかMさんがまたも小声で教えてくれた。
「今、点ててくれてはるよ。」

あぁ、そうか。
正客と次客には主人直々が点てたお茶を運んでくれるのか―
安心した私はその後運ばれてきたお茶をじっくりと味わうことができた。

茶席の客全員がお茶を飲み干してお茶会は終了。
う~ん、ほどよい緊張感が心地いいなぁ…
普段緊張感のない生活をしている私にはお茶会独特の雰囲気がとても新鮮であり、不思議な空間に感じた。

060718ocyakai02 お茶会は道具を愛でる場であるとか、会話を楽しむ場である、という意味はこういうことだったのか。
茶道具はもちろん、待合室の掛け軸や生け花、飾り物など一つ一つに意味があり、大のオトナがそれらの道具をネタに会話を楽しむ―何とも粋な大人の遊びではないか!

 … … …

興奮気味のまま2軒をはしごして回り、そして興奮したまま帰宅した後、私のコーフンを更に高めるかのような大雨が降った。
なんというグッド・タイミング!!
私たちってむっちゃタイミングええやん!
神様、Mさま、ありがとう!!

と腕を振り回した途端―
「ビリッ!」
…朝、ドアノブにひっかけて応急処置をした着物の袖付け部が更に破けた。

興奮は一瞬にして冷めた。

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2006年7月 3日 (月)

沖縄の染織展

060703okinawaten02 大阪日本民藝館にて開催の「沖縄の染織」展に行ってきた。

最終日にもかからわず、悪天候のせいかあまりに館内が閑散としているので逆に驚いた。
その分じっくりと見られて良かったが。

一点ずつ見て回る。
本州の植物では出せない色に目を奪われる。

染料の詳しい紹介はなかったがおそらく福木で染めたであろう鮮やかなレモン・イエロー、福木と藍をかけた明るいグリーン、テーチ木の赤茶や少し青味がかった黒…。
織りの技法も独特であるが色使いが沖縄ならではだ。
沖縄の染料を使えば空気や水が本州でも同じ色が出るだろうか?

ところで今回の染織展は個人の収集家の所持品から約50点を出品したもので、沖縄在住の人間国宝平良敏子さんや宮平初子さんなどの作品が並び、またビデオなどの資料で彼女たちが戦後沖縄の織物を復活させるために奔走した姿がわかるようになっていた。

戦争をはさんでの混乱期、何もかも焼けてしまった沖縄で伝統的な織物を復興させた苦労はいかほどのものだったろう。
多くの人たちの苦労があって沖縄の染織は今に受け継がれているのだろう。

沖縄にはすばらしい文化がたくさんある。
染織の宝庫といわれるだけあって染め織りに関しても多種多彩なものがある。

数は多いとはいえ人口も少ないあの小さな島々に、あれだけ多彩な染織文化があるとはすごいことだ。
そしてそれを当たり前のように受け継いできたのは無名の一般住民たちである。

オキナワ…いいなぁ…いつか時間をとってゆっくり行ってみたい。

小ぢんまりとした染織展だが、おなかいっぱいに感じるほど心が満たされた展示会であった。

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2006年6月19日 (月)

ファッションカンタータ

060619fashon02 京都府・京都市共催のファッションイベント「ファッションカンタータ from KYOTO」に行ってきた。

このイベントは単なる着物ショーではなく、「和装と洋装の服飾文化の祭典」(Yahoo!ニュース)である。
毎年6月に京都市内で開催され、チケットは非買、抽選で手に入れるしかない。
毎年毎年外れつづけ、余程運がないのか「抽選」とは名ばかりなのか…と疑い始めた矢先、やっと当たった!
嬉しくて早速友人を誘い、出かけるための段取りに取り掛かった。

まず子供2人を夫に託す約束をとりつける。
ショーは土曜日の昼なのだ。
次に長男をうまくおだて、当日次男のめんどうを見るよう言いくるめる。
そして最後に次男に「『ウルトラマン・ファイティングエボリューション・リバース』(ゲーム)をしてもいいからお仕事場でにぃにと仲良く遊ぶ」よう、申し渡す。

外堀はこれで埋まった。
あとは当日次男の気がかわらないよう楽しい雰囲気を作っておくことだけだ。

そして迎えた当日―
楽しい雰囲気のままお仕事場(工房)に子供たちを送り届けることに成功し、そのまま会場へ…。

いよいよ開演。

前半のシャネルのショーもいいけど今回のお目当てはあくまで着物。
幸い(モデルが歩く)通路の横、わりと前方に座れたので細かい部分までよく見える。
着物と帯の雰囲気は?
帯の結び方は?
髪型はどうなってるの?
小物の色は?

目を皿のようにしてチェックした。

過剰な演出に笑いがこみ上げてきてしょうがない部分(失礼!でも何で誰も笑わなかったんだろう…)もあったが、いろんな意味でとても面白い1時間半だった。

西陣が元気がないとか和装業界は大変だとかいろいろ聞くけど、頑張ってるじゃないか、京都。
和装業界の将来は暗い話ばかりじゃないぞ。
頑張ろう!

と京都で染めに携わるものの一人として、決意を新たにしたのだった。
チャンチャン。

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2006年5月29日 (月)

羽織裏の粋とこだわり

Column060529haoriura2 大阪くらしの今昔館で開催中の「羽織裏の粋とこだわり」展へ行ってきた。

時々着付を教えていただいている、友禅染を家業とされている先生のお宅で、羽裏にする予定であった生地を見せていただいたことがある。
家の片付けをしていたら偶然出てきただいぶ古いものだそうだが、茶道具をモチーフにした柄は「裏」に使うにはもったいないようなシンプルでモダンな柄であった。

羽織は人前で脱ぐ機会も多い衣服だから、羽織の裏にこだわることが昔の人のさりげない、それでいてかなり高度なおしゃれだった―

そう聞いてから羽織に興味を持ち始めた。
タイミング良く同館で羽裏の展示会があることを知り、会期中に行きたいと思っていたのだ。

「くらしの今昔館」の展示室はさほど広くない。
にも関わらず中には見学者は誰もいない。
おかげで完全な貸切状態でじっくりと見ることができた。

どの羽織も大正~昭和のものであり、色・柄ともに鮮明である。
美人画あり風景画ありで、まるで1枚の絵を見ているようだ。
「裏」にしてしまうのはもったいないと思えてしまう。

お茶屋などでさりげなく脱いだ羽織を芸者が見て「いや~、和紡布onlineの旦さんはホンマにおしゃれどすなぁ。今度は映画の柄(チャップリンの似顔絵と、メガホンを握る監督とカメラマンのシルエットが1枚の羽裏になったモダンな羽織があった)どすか~」などと言われることが最高の「粋」だったんだろうか?

見えないところに気を配る…
「勝負下着」ならぬ「勝負羽織」だったりして。

かなり面白い企画展だった。

外に出ると休憩コーナーで着物姿の女性の一団に出くわした。
この展示会に誘い合って来た団体さんだろう。
私もコーヒーを飲みながら着物の色柄、バッグや帯締めなど、横目で見ながら観察させてもらった。

いやいや、着物っていいですねー。

年取って着物姿がサマになるようになったら「裏」にこだわった羽織も着てみたい。
「和紡布online店長はんは粋どすな~」と誰かに言ってもらえることを期待しながら。

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2006年5月22日 (月)

ヴィンテージの布ワーク展

Column060522konbusan2 昆布尚子さんの「ヴィンテージの布ワーク展」へ行ってきた。

昆布さんは知る人ぞ知るデザイナー?リメイク作家?だ。
「?」をつけたのは私のボキャブラリー不足のせいで他にうまい表現が見つからなかったからなのだが、骨董市で見つけた古布などを使ってかわいい服を作っていらっしゃる方だ。

東京で不定期に個展を開いておられるのだが、京都開催は今回初めてだったので、前から楽しみにしていた。

私のような人がたくさんいたのか会場となった店は大賑わい。
みんな「素敵ね~」「かわいい~」とうっとりしながら眺めていた。

古布で服を作るのは別に珍しいことではないし、リメイク作家さんはたくさんいらっしゃる。
でも昆布さんの服はちょっと違う。
何が違うかというとリメイクしたものにありがちな「しっぽり」とした感じがないというか、「古さ」や「和」を感じさせないのだ。

どの作品も本当にかわいくて(「かわいい」という表現が正しいのか迷うが)、一点ずつ見とれることしばし。
中でも私が一番気になったのは生成のざっくり織った生地に大柄な花を藍で型染め(?)した生地で作ったスカート。そのままでは透けるので下にモノトーンチェックの生地でスカートを付けている。離れてみると上の生地から下の生地が透けて見えて、全体がなんとも言えないいい感じになる。上の生地は何だろうと思っていると、なんと「蚊帳」らしい。こんなかわいいプリントの蚊帳があったなんて…。しかも蚊帳を服にするなんて…。

あんまりそのスカートがかわいいので参考までに値段を聞いてみたら、その作品はご自分で着られるので非売品とのこと。
う~ん、手に入らないとわかれば余計に欲しくなるなぁ…。

帰りに買った昆布さんの本(「ヴィンテージの布ワーク」:文化出版局)を参考に頑張って作ってみようかな。
でも自分で作るとあの雰囲気出るかなぁ。

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2006年5月 1日 (月)

大絵巻展

京都国立博物館で開催中の「大絵巻展」に行ってきた。

Column060501daiemaki2

数々の名品が並ぶ中、最も目が釘付けになってしまったのが「病草紙(やまいのそうし)」。
病気や奇形を題材にした平安時代後期の異色の絵巻だそうだが、描かれている内容がなかなかハードだ。

今回私が見たのはその絵巻の中の3場面―

「霍乱(かくらん)」…下痢と嘔吐を繰り返す病に苦しむ女の絵。
「息の臭い女」…美人の女房が息が臭いために同僚の女房に笑われている絵。
「ニ形(ふたなり)」…しぐさが女っぽい男の着物の裾を(男が寝ている間に)別のおとこがめくっている。
下半身むき出しの男は両性具有で、それを見て裾をまくった男たちが笑っている絵。

 …

「鳥獣戯画」や「源氏物語絵巻」など目を惹かれる絵巻は多数あったが、見終えた今一番強烈な印象が残っているのはやはり「病草紙」だ。

この絵巻は平安の人々にどのように扱われていたんだろうか?
貴族の姫君や公達が親に隠れてこっそり眺めていたのか、それとも週刊誌を読むように女房達が回し読みしていたのか…しばし平安貴族たちの様子を想像してしまった。

大絵巻展は6月4日まで。
もちろん「病草紙」だけでなく盛りだくさんの絵巻展、できればもう一度会期中に足を運びたい。

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