「笹紅」という言葉がある。
江戸時代中期~後期にかけて流行った化粧法で、紅(紅花から作った口紅)を沢山さすことで青光りさせ、まるで笹のような色合いに見せる塗り方のことだ。
葛飾北斎の美人画にも描かれているこの「笹紅」、当時紅花は非常に高価だったため、売れっ子の花魁などしかホンモノは使えず、墨の上に紅をさしてそれっぽく見せる方法も流行ったとか。
“黒光りする緑の唇”といえばイカ墨パスタを食べた後の他人に見られたくない顔を想像してしまうが、「笹紅」があんなチープな色合いであるはずはない。
とするとかつて子供たちと一緒に見ていた『魔法戦隊マジレンジャー』の悪役美女“ナイとメア”みたいなメイクなのか?
確か彼女たちは唇が玉虫色だったぞ…いや、紫だっけ…?
・・・いろいろ想像するのも楽しいものだ。
それにしても
―なぜ紅から笹色が?
そう思わずにはいられないが、紅花の赤は純度がとても高い色素なので、重ねると赤い光を吸収して反対色の緑色の輝きを放つため、こう見えるそうだ。
―ふぅむ…わかったようなわからないような…
店主の趣味とはいえ、「元素の周期表」が貼ってあるような工房で仕事をしているわりには化学の知識が身に付いていない私にとっては、字面を追うだけではすんなり「ガッテン!!」と机を叩けない説明文だが、とにかくそうらしい。
―ま、とにかくやってみよう~~~
というわけで中国産の紅花を使って実験してみたのが3週間ほど前。
・・・ナント、抽出した色素を塗った陶器の中で、一部玉虫がかった色合いに発色している部分が!
スゴ~~~イ!!
抽出量がごく微量だったので“ナイとメア”メイクを実践するには至らなかったが、がぜんヤル気になった。

国産紅花だったらもっときれいな紅が抽出できるに違いない。
効率のいい抽出法は??
目下少しでも効率いい方法を検討中。
目指せ、ナイとメア!
いやもとい。
目指せ、北斎美人!!
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